研究のスタイル

一年間、一日の休みもとらず、図書館の蔵書の一冊一冊から、吉松は中国の地震の記録、
オーロラの記録を拾い上げた。そして、その資料が、吉松の畢生の労作だと言われる論文の支えとなった。

高橋治著『名もなき道を』より引用。

こんな研究スタイルだってある。他人と競って新しい方法論や流行のテーマに身と時間を費やすよりも、
自分の興味の赴くままに、根気づよく資料を調べ、集め、自分で計算を重ね、一つの分野を切り開く。
「やり遂げる」という根気。自分以外に誰もやっていないのだから、「不安」に負けそうになるかもしれない。
孤独と恐怖に打ち勝ち、畢生の論文を後代に残すのだ.....。このような研究のスタイルを突き詰めていくと、自分の「型」ができるのかもしれない。